Tweet 短編小説 誕生日の花をテーマに短篇小説を作成 『プルメリアの風に吹かれて』 http://nspc.kojyuro.com/0127.html
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![]() 誕生花 プルメリア 花言葉 「気品」、「恵まれた人」 1月27日の誕生花はプルメリアです。プルメリアはキョウチクトウ科の熱帯植物です。プルメリアはとても丈夫で、1年を通じて開花する性質があるため、世界中の熱帯地域で広く植えられています。南国のイメージがある美しい花を咲かせ、ハワイでは神聖な花として髪飾りやレイに使用されます。 ![]() |
『プルメリアの風に吹かれて』真夏の午後、空港近くの小さなカフェ「Leilani(レイラニ)」には、白とピンクのプルメリアが咲いていた。南国の風を思わせるその花は、甘くやさしい香りを漂わせながら、訪れる人々の心をそっとほどいていた。 カフェで働く遥(はるか)は、プルメリアの季節になると、決まってある記憶がよみがえる。 大学時代、短期留学で訪れたハワイで出会った青年・海翔(かいと)のことだった。 彼は現地の大学で観光学を学んでいて、遥の語学研修のサポート役として出会った。最初はぎこちない会話だったが、プルメリアの咲く庭で一緒に過ごすうちに、少しずつ心が通い始めた。 「この花、プルメリアって言うんだ。花言葉は“陽だまりのような愛”。…君にぴったりだと思う」 そう言って微笑んだ海翔の言葉が、今も遥の胸に残っている。 留学の終わり、彼は言った。 「離れても、プルメリアが咲く頃には、君のことを思い出すよ。…また、会えるといいな」 それから数年。遥は帰国し、空港近くのカフェで働きながら、毎年プルメリアを育て続けた。花が咲くたびに、海翔との日々を思い出していた。 ある夏の日。カフェに一人の男性が現れた。 「…プルメリア、まだ咲いてるんだね」 その声に、遥は振り返った。 「…海翔くん?」 そこには、少し日焼けした顔に穏やかな笑みを浮かべた海翔が立っていた。 「君に会いに来た。…約束、守りたくて」 遥は、胸がいっぱいになった。 「ずっと、待ってたよ。…この花と一緒に」 海翔は、ポケットから小さな花冠を取り出した。 「これ、ハワイで作ったプルメリアのレイ。…君に贈りたくて」 遥は、涙をこらえながら笑った。 「ありがとう。…すごく嬉しい」 海翔は、そっと遥の手を握った。 「これからは、離れずに花を育てたい。…君と」 遥はうなずいた。 「はい。…プルメリアのように、やさしく、あたたかく」 それから二人は、少しずつ距離を縮めていった。カフェで一緒に働きながら、季節の花を育て、未来を語り合った。 そして一年後の夏。カフェの庭には、今年もプルメリアが咲いていた。 「遥、今年も咲いたね」 「うん。…あなたと一緒に育てたから」 海翔は、ポケットから小さな箱を取り出した。 「この花のように、君と未来を咲かせたい。…結婚してください」 遥は、涙をこらえながら笑った。 「はい。…あなたの風が、私の花を咲かせてくれる」 プルメリアの花が、夏の光の中でやさしく揺れ、二人の未来を静かに祝福していた。 |
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1月27日の誕生花はプルメリアです。プルメリアはキョウチクトウ科の熱帯植物です。プルメリアはとても丈夫で、1年を通じて開花する性質があるため、世界中の熱帯地域で広く植えられています。南国のイメージがある美しい花を咲かせ、ハワイでは神聖な花として髪飾りやレイに使用されます。