Tweet 短編小説 誕生日の花をテーマに短篇小説を作成   アンスリウムの赤  http://nspc.kojyuro.com/0122.html
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 

アンスリウムの育て方 | 花の育て方サイト*そらるん

誕生花 アンスリウム
花言葉 「情熱」、「印象に残る」


1月22日の誕生花はアンスリウムです。アンスリウムはサトイモ科の観葉植物です。熱帯アメリカから西インド初頭にかけて約600種類が分布し、花びらのように見えるものはホウです。長い期間楽しめる苞を観賞する鉢花として栽培される他、観葉植物として楽しまれる品種もあります。

Fresh Flowers and Plants to Signify Hospitality, Friendship, and Warm ...

『アンスリウムの赤』

夏の気配が街に広がり始めた六月の午後、駅前のギャラリーカフェ「アトリエ・ルージュ」では、季節の植物をテーマにした展示が始まっていた。窓辺には、艶やかな赤いアンスリウムが並び、まるで心の奥に火を灯すような存在感を放っていた。

カフェで働く詩音(しおん)は、その花に特別な思いを抱いていた。

大学時代、デザイン科の展示会で出会った青年・律(りつ)が、初めて彼女に贈ってくれた花がアンスリウムだった。

「この花、君に似てると思った。強くて、でも繊細で、印象に残る」

その言葉に、詩音は胸が高鳴った。律は無口で、作品にすべてを込めるような人だった。彼の描く色彩は大胆で、でもどこか優しさがあった。

展示会の準備を通して、二人は少しずつ距離を縮めていった。詩音は詩を、律は絵を。互いの作品が並ぶと、まるで会話をしているようだった。

けれど、卒業後、律は地方の美術館に就職することになった。

「離れても、作品でつながっていたい。…いつか、また一緒に展示しよう」

そう言って、彼はアンスリウムの鉢植えを手渡してくれた。

「花言葉は“情熱”。…君の詩に、ずっと宿ってると思う」

詩音は、その言葉を胸に刻み、彼を見送った。

それから数年。詩音はカフェで働きながら、詩を書き続けた。窓辺には、毎年アンスリウムを飾り、律との約束を思い出していた。

ある夏の日。カフェに一人の男性が現れた。

「…アンスリウム、まだ飾ってるんだね」

その声に、詩音は振り返った。

「…律さん?」

そこには、少し日焼けした顔に穏やかな笑みを浮かべた律が立っていた。

「帰ってきました。…君の詩に、また触れたくて」

詩音は、胸がいっぱいになった。

「ずっと、待ってたよ。…この花と一緒に」

律は、ポートフォリオを差し出した。

「これ、僕の新作。…君の詩と並べたくて描いた」

詩音はページをめくりながら、涙をこらえた。

「私も、書いてた。…あなたと並べる日を夢見て」

それから二人は、共同展示会の準備を始めた。作品を並べ、空間を彩り、アンスリウムを中心に据えた。

展示会の初日。ギャラリーには、夏の光と花の香りが満ちていた。

「詩音、これからも一緒に作品を作っていきたい。…詩も、未来も」

律の言葉に、詩音は笑顔でうなずいた。

「はい。…あなたとなら、情熱をずっと咲かせられる」

アンスリウムの赤が、夏の風に揺れ、二人の未来を鮮やかに照らしていた。

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 

1月22日 誕生花|アンスリウム

アンスリウム 白い花

Photo by cocoさん@GreenSnap

誕生花
アンスリウム
花言葉
「情熱」、「印象に残る」

1月22日の誕生花はアンスリウムです。アンスリウムはサトイモ科の観葉植物です。熱帯アメリカから西インド初頭にかけて約600種類が分布し、花びらのように見えるものはホウです。長い期間楽しめる苞を観賞する鉢花として栽培される他、観葉植物として楽しまれる品種もあります。

 関連記事

アンスリウムの花言葉|色別の意味や種類、花の特徴は?